Lección 16

『6カ国語会話集』

というものを持って旅しました。

基本、野宿です。

ベルリンを出て何日目だったでしょうか。

ユースホステルを目指しました。

ここで、ボク好みの教訓を与えられたのです。

 

受付の兄ちゃんは

おそらく完璧に英語ができます。

どうも泊まれるようなんだけど

なにか条件がつくというか、

なにか言ってるんだけど、

ハッキリわからないんです。

ボクとしては泊まれるんなら

後はどうでもいいんだけど、

どうもしっかり了承させたいみたい。

それで、ボクが英和辞典を取り出した時です。

「そんなものは使うな!」

彼が制するわけです。

「他に知ってる言葉はないのか?」

「スペイン語がちょっとできる」

言っちゃったんです。

すると、彼もちょっとできるという。

なんと、チョー低レベルで肉薄するほどの

お互いのスペイン語力が功を奏して

泊まれるが相部屋となり、

さらに、ベッドが足らないから床で寝ることになる。

ということがハッキリと理解できたんです。

 

ここで、何を学んだかというと

辞典や会話集なんか使わずに

知ってる単語と身振り手振りで

なんとかしろ、なんとかなる、ということです。

 

「6か国会話集」にはこうあます。

¿ Tiene usted una habitación libre ?

空いている部屋がありますか?

libre = 自由な

西英辞典では 1 free 2 vacant = 空いている

habitación = 居住、居室、部屋

una = ひとつの、ある・・・

usted = あなたは

tiene = tener の三人称単数現在

tener = 持っている = have

空いている・部屋・ひとつ・あなたは・持っている・か。

 

ドイツ語では

ハーベンズィーアインフライエスツィンマ?

これを純正カタカナ語でやるわけですけど、

断られてるのか、

分からないって言われてるのかが分からない。

そのうち会話集見せて指差しちゃったりして。

歩く旅をしてますと、

2週間くらい歩いてると、

なんとなく落ち着いてくるんです。

で、先のユースホステルの

兄ちゃんの言葉を思い出すんです。

そして、自分の言葉でしゃべろう。

こう考えるわけです。

はて、日本ではなんて言うかな?

「泊まれますか?」

ボクは、日本でも歩いて旅をしました。

その時のことを思い出して

こんな言葉を発明したんです。

Can I stay this hotel ?

文法的にあってるかどうか

今でも知りません。

オルデンブルグでホテルを見つけたとき

使ってみました。

すると、フロントのおじいちゃんが

うれしそうな顔をするんです。

聞けば、昔は船乗りで英語を使っていたらしいんです。

で「久々に英語を聞いて懐かしかった」と言うんです。

通じるんだな。ってなもんで、

スペインでもこれでいきました。

¿ Puedo estar esta noche ?

noche = 夜

esta = este の女性形

este = この、これ

estar = ある、いる

puedo = poder の一人称単数現在

poder = できる

今夜・いる・(私)できる・か。

 

だいたい、旅人がなんか聞けば

ホテルなんだから、

泊まれるかどうかですよね。

ところが、マドリッドの安ホテルは

ビルのフロアごとにオーナーが違ってたりして

それをインターフォンで確認するわけです。

30年前ですから、

音だけで、映像はないんです。

そこでこんな言い方に変えました。

¿ Hay habitación ?

habitación = 部屋

hay = haber の三人称単数現在

haber = 持つ、ある

部屋・ある・か。

 

最高に面白かったのはフランス。

古い城壁都市(ちっちゃな町)でした。

フロントにいたのはおばあちゃんです。

全く英語は通じません。

そのうち奥に入って、

もう一人のおばあちゃんを連れてきました。

この人は英語が少しできるのかな。

と思いきや、このおばあちゃんも全く分からない。

たぶん、オーナーなんでしょうね。

このとき、ボクは

自分を指し、次に床を指し、

手を合わせて眠る真似をしました。

「Oui」ウイ

おばあちゃんは価格表を持ち出してきました。

今となってはいい思い出です。