ボクが目覚めるための土壌、その弐

もう一つの土壌になったもの、

土壌になっているんじゃないかと思われるもの。

これは自衛隊の中での体験でした。

いろいろな影響を受けて今があると思っていますが、

意識の中でハッキリあるもの、です。

ボクは陸上自衛隊でした。

今の陸自がどうなのかは知りません。

ボクのいたころの陸自

特に陸士(下士官への試験を受けていない人)の

感覚でしかない、ということを断っておきます。

なんて言ったらいいんでしょうか。

精神教育というとちょっと大袈裟ですけど、

兵隊を教育するという点では、

基本教練のような動きの教育はありますが、

精神の教育というものは

無いに等しいような思いがあります。

国防意識を持たずに入った自分ですので、

そのために気づかなかった

ということも言えるかもしれませんが、

軍人はこうあるべき、というような

そんな教育は受けなかったように思います。

もちろん、自衛官は、

「ことに臨んでは身の危険を顧みず」と

宣誓をしているわけですが、

「こと」とは何か。

その目的は何か。

こういう教育は受けていない気がします。

そんなボクの記憶の中で、

ハッキリ、あれは自分にとって

大切な情報であったと思っているのが

前期教育隊で見た一つのビデオです。

スイス、オーストリアが永世中立国であることは、

言葉だけは学校で習った記憶があります。

この2国が永世中立を維持するために

何をしているのか、そんなビデオです。

オーストリアもそうだったのか、

ここのところ、はっきり覚えていませんが、

ボクの中での啓蒙(暗きを開かれた部分)は、

スイスは国民皆兵であるという事実です。

徴兵制でなく、皆兵制です。

みんなが銃の打ち方を定期的に練習するんです。

軍隊にいくんじゃなくて、国民としてやるんです。

このビデオを見終わってから、

指名されたのか、

ボクが手を挙げたのか記憶にないんですが、

ビデオの感想として、

「日本も徴兵にしたらいい」と答え、

中隊長にひどく感動されたことを覚えています。

ボクの感想の趣旨は、

「中立を守るためには、その覚悟がいるんだ」

ということを知らされて、とっさに思った感想です。

なぁーんも、深い思考などたどっていません。

今思うと、中隊長の感動は

このビデオを見せる目的が達せられた。

という感動であったことと想像しますが、

どうなんでしょうね。

ボクの印象では、ボクほど穏やかな人は少なかったですよ。

もっと、攻撃的な人たちばかりでした。

ボクたちは、たまたまなんですが、

前期教育隊と後期教育隊の間に

後期前教育というのを受けました。

これは受け入れ側の問題で、

後期教育隊に入るのは、1ヶ月待て、と。

次の期といっしょに受けろ。と、

そういうことになって、教育というか

なんだか宙ぶらりんの立場で、

札幌の駐屯地(教育隊ではない)で

15人が1ヶ月過ごしました。

このときだったと思うんですけど、

教育の一環として、映画を見に行ったんです。

ボクたちは、前代未聞の立場であり

教育隊の正式なプログラムではないです。

五木ひろしの歌だったと思います。

「あなたは~だれと~契りますか~」

『大日本帝国』という映画でした。

この映画を見終えて、それぞれが

口々にした感想は

ほぼ「やっぱり、戦争は勝たなきゃダメなんだよ」

ボクは、どうしてそんな感想になるのか不思議で、

一番年下だったんだけど、言いました。

「違うよ、戦争はやっちゃいけないんだよ」

なにが言いたいかといいますと、

ボクの見る限り、みんな

やられたらやり返すくらいのことは人間として常識で、

ボクだけがお花畑だったということです。

中学生のときだったと思います。

ラジオで聞きました。

野坂昭如さんが言ったんです。

「日本が非核を通して、

結果的に、そのために滅びたとして、

のちに、世界の教科書で、

日本という立派な国がありまして、、、

と、日本を陥れた国々が反省する。と、

これでいいじゃないか。

こうして残してもらったらそれでいいじゃないか」

こんなような内容だったと思います。

ボクは、このとき大拍手です。

なんてったってお花畑ですから。

竹村健一さんつながりで

17歳のころ(自衛隊に入る前)は渡部昇一さんや

小室直樹さんの本を読んでいましたが、

根本はお花畑のままで入隊したんです。

戦争は、やっちゃいけません。

でも、やるときはやるぞ!という覚悟がなかったら

戦争を避けるための話し合いすらできないということ、

このことは、お花畑では理解できない常識です。

こっちがやる気がなくても

相手というものがある以上。

相手に「やっちゃおっかなぁ」と思わせない

努力をしなきゃいけないってこと、

このことも、お花畑には理解できない常識です。

日本の中で、W.G.I.P.を受け入れたまま

オルドメディアの情報だけで、暮らしてたら

西欧や中国のあくどさは身に沁みませんから

どうしても、外国という相手があるという話に関しても

日本的な発想でしか考えられないんですよね。

お花畑のまま自衛隊に入って

永世中立でありつづける(国を守る)ことは

どういうことなのかというビデオを見て

「日本は徴兵にすべきなんじゃないか」

という感想を持った。ということ、

これは大きな変化だったと思うんですね。

ただし、目覚め始めたのは、それから25年後です。

土壌に種がまかれ、水が注がれて

芽を出すには時間がかかるのでしょうか。

おそらく、時間のかかる環境だったのだと思います。

これから、さらに時間のかかる環境になるのか

時間がかからなくなる環境になるのかの

ボクは、今、その大きな岐路に

立たされているような気がしているんです。

世界情勢の都合で、

時間のかからない環境がやってくることは

危険で残念なことですが、

そういった状況に陥る前に

芽が出やすい環境をつくっていきたいと考えています。